英国王室研究家/スタイリスト にしぐち瑞穂
「ロイヤル」の称号を授けられた唯一無二のダイヤモンドジュエラー「ロイヤル・アッシャー」の永遠の輝きを、日々の着こなしで自分らしく装う『私のダイヤモンドスタイリング』。第1回は「ロイヤル・アッシャー」と深い絆で結ばれた英国王室を研究するにしぐち瑞穂さんを迎えて、歴史あるブランドのフィロソフィーと日常で取り入れる“ロイヤルファッション”をご紹介します。

トップジュエラーが誇るロイヤルな輝き

1854年、オランダ・アムステルダムにて創業したロイヤル・アッシャー社は、オランダ王室から2度「ロイヤル」の称号を授けられた名門ダイヤモンドジュエラーです。

その卓越した職人技術から、1907年には英国王室エドワードⅦ世に献上された世界最大のダイヤモンド原石「カリナン(3,106ct)」のカットを託されました。「カリナン」は美しい9石の大粒のダイヤモンドと複数の小さなダイヤモンドに姿を変え、最大の「カリナンⅠ世」は王笏に、2番目に大きな「カリナンⅡ世」は大英帝国王冠に飾られています。

1958年、エリザベス女王がロイヤル・アッシャー社をご訪問された際、胸元には「カリナンⅢ世」と「カリナンⅣ世」を飾った「グラニーズ・チップス」が輝いていました。

左から王笏、王冠、グラニーズ・チップス

英国王室とも所縁の深い、世界最高峰のダイヤモンドカッティングジュエラー。「ダイヤモンドがもっとも美しく輝くために」。その哲学を追求し続けてきた偉大なる歴史とクラフツマンシップは、白く高貴に輝く「ロイヤル・アッシャー」のダイヤモンドジュエリーに受け継がれています。

永遠のシグニチャーを
デイリーなロイヤルスタイルに

ダイヤモンド史にその名を刻んできた「ロイヤル・アッシャー」は、4種のオリジナルカットの国際パテントを持っています。「ロイヤル・アッシャー・カット」に「ロイヤル・アッシャー・ブリリアントカット」、そして「ロイヤル・アッシャー・クッションカット」「ロイヤル・アッシャー・オーバルカット」。

ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカットコレクション リング

シェイプは異なりながら「カリナンⅠ世」「カリナンⅡ世」と同じファセット数である74面体にカットされた4種のダイヤモンド、それがブランドの歴史を刻む「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクションです。

にしぐち瑞穂さん 銀座本店にて

永遠のシグニチャーだからこそ、にしぐちさんのアイコンスタイルである鮮やかなピンクのセットアップにコーディネート。気品ある輝きがデイリーなロイヤルスタイルを彩ります。

ペンダント、ピアス共に「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクション。 その他、スタイリスト私物

襟元にはエリザベス女王が身につけた「グラニーズ・チップス」の「カリナンⅣ世」に着想を得た「ロイヤル・アッシャー・クッションカット」のペンダント。柔らかく優美な丸みを持たせたスクエアカットのダイヤモンドが煌めきます。

耳元は「ロイヤル・アッシャー・カット」を施した2石とメレーダイヤを等間隔に配したエレガントに揺れるピアスを添えて。いずれもダイヤモンドの美しさを極めたシンプルなデザインだからこそ、お仕事などのオンタイムはもちろん、ボーダートップ×デニムといった日々のカジュアルスタイルも華やかに引き立てます。

ネックレスの重ね使いで
レディなキャサリン妃をイメージ

清楚なワンピースに合わせてロングネックレスを愛用するキャサリン妃を思わせるスタイリング。スカイブルーが爽やかなワンピースに、ロングネックレスとペンダントをレイヤードしました。

ロングネックレスは「ナインシェイプス」コレクション、ペンダント、ピアスは共に「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクション、その他、スタイリスト私物

ロングステーションネックレスは、世界最大の原石「カリナン」からカットされた9石のダイヤモンドをモチーフにした「ナイン シェイプス」コレクションより。マーキスカットやクッションカット、ペアシェイプカットなどの、大小異なる9つのパーツのコンビネーションが、軽やかな清涼感を演出してくれます。

組み合わせたのは、中央に「ロイヤル・アッシャー・カット」のダイヤモンドを配したモダンな印象のペンダント。顔映りや襟元のデザイン、重ね使いするネックレスとのバランスを見て、長さを調節できるアジャスターつきのペンダントは、自分らしいコーディネートが楽しめます。洗練されたダイヤモンドネックレスを白シャツにさらりと合わせるのも大人な提案。

ピアスは同じく「ロイヤル・アッシャー・カット」のソリテールで、引き算のジュエリースタイルを完成させています。

王冠モチーフが煌めく
カジュアル風ロイヤルスタイル

にしぐちさんのデイリースタイルにもっとも近い、カジュアルトラッドな印象のロイヤルコーディネート。淡いピンクのモヘアニットと艶やかなチェックパンツに、イギリスを象徴する王冠モチーフのジュエリーを合わせています。

ロイヤル・アッシャー・カットのペンダントとクラウンモチーフのピンブローチ。その他、スタイリスト私物

「カリナンⅡ世」を戴く大英帝国王冠からインスパイアされた「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクションと「ナイン シェイプス」コレクションより、クラウンをモチーフにしたペンダントとピンブローチ。

「ロイヤル・アッシャー」のレジェンドを伝える格調高いモチーフは、カジュアルをクラスアップしてくれる存在感。ジャケットのラペルに飾ったり、ツインニットにボタンのようにあしらったりと、発想豊かにスタイリングを遊べるピンブローチもおすすめです。

手元に燦然と輝くのはペアシェイプのオレンジダイヤモンドリング。その他、スタイリスト私物

オランダ王室を象徴するカラーでもあり、マキシマ王妃が2002年にウィレム=アレクサンダー国王とご成婚された際に贈られたエンゲージリングこそ、「ロイヤル・アッシャー」がカットしたオーバルカットのオレンジダイヤモンドでした。この新作リングも、まるで祝福を象徴するかのように、同じ鉱山で採れた原石からペアシェイプにカットしたオレンジダイヤモンドがあしらわれています。

希少価値の高いビビッドなオレンジカラーは、ベーシックカラーとの相性もよく、エレガントでシックな着こなしに仕上がります。ぜひ日々のスタイルに「ロイヤル・アッシャー」の輝きを取り入れて、新しい自分と出逢ってみてください。

INFORMATION

ロイヤル・アッシャー 『進化するダイヤモンドカッター展』を開催
銀座三越 新館2階 6月15日(水)から28日(火)まで

世界最高峰のダイヤモンドカッターであり名門ジュエラーとして知られる「ロイヤル・アッシャー」を紐解く特別企画展が開催される。「カリナン」カット時のカッティングツールやエドワードⅦ世から贈られた銀器が展示されるほか、ダイヤモンドカットの動画なども公開。「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクション「ブライダル・コレクション」の新作も披露されるのでお見逃しなく。

PROFILE
にしぐち瑞穂(にしぐち・みずほ)
英国王室キャサリン妃研究家、コラムニスト、スタイリスト。TVアナウンサーや雑誌等、スタイリストとして長年活躍。イギリスに魅了されロンドンに移り住み、帰国後は雑誌『25ans』やオンライン『ミモレ』で英国にまつわるコラムを連載。YouTubeチャンネル『ロイヤルスクープ』では王室情報を配信中。著書『幸せを引き寄せる キャサリン妃着こなしルール』(幻冬舎)

Text: Aiko Ishii , Photo: Shiori Shimegi